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森田桂治
1969年10月25日生まれ

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放浪コラム

どんぐりネットワークの活動

2005年08月02日

2005年7月8日に行われた、日本看護学会でのシンポジウム時の発表要旨。川井郁子さんのヴァイオリンを演奏するときとは違った、穏やかな口調での経験談。多田伸治さんのさぬきの夢2000にかけた情熱。そして、日赤で20年勤務され、現在は四万十川のほとりの医院で在宅医療を続けられている小笠原先生。こんな方々と共にシンポジウムに参加できたこと、一生の光栄です。県民ホールの大舞台は二度と踏めないだろうなぁ。

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香川県はおむすび型の山や、屋島、五色台と言った台形状の山などが特徴的ですが、今、深刻な問題が森で起こっています。

竹林の勢力が拡大して、里山全体を覆う形で増殖しています。東京などから高松空港に降りる際に窓外を見るとわかりますが、多くの山が天辺まで竹林化しています。しかも整備された竹林ではなく、竹やぶ。

元々、食材としてのタケノコや、住居、家具、農作業などで竹材と利用されていたものが利用されなくなり、放置されたのが原因です。その強力な成長力(一年で5メートル地下茎が延び、地上茎は2,3ヶ月で十数メートルも延びる)で、畑や山林に侵食し、暗い森を作り、他の草木を枯らします。

放置された竹林は、生物の多様性が失われた森になってしまい、水の保水機能も落ちます。何より、土壌崩壊を招き、昨年の台風でも多くの場所で竹林の一部がそのまま塊となって地滑りを起こしました。地球規模の問題で言えば、CO2の吸収力も落ちます。

私はまだまだ諸先輩方と並ぶと若輩者なのですが、それでも子どもの頃の山、森の風景と、今の里山の風景はかなり違います。一方では松林が減り、コナラ、クヌギの森が広がっています。生物の多様性という意味では、僕の子どもの頃よりも香川の里山は豊かになっているのかもしれません。クワガタやカブトムシが取れる樹というのはほとんど決まっていて、早起きして先陣争いだったものですが、今ではちょっと里山に足を踏み入れればたくさんの昆虫がいます。

ただ、一方では先の話のようにその豊かな森を侵食する、しかも急速に拡大中の竹林があります。これは、竹害ともいうぐらい深刻です。そもそも、里山、雑木林の一角に竹を植えたのは人間です。それを使わなくなって、放置したのも人間。既に行政抜きでは手をつけられないぐらい、それでも無理なんじゃないかと言うぐらい増殖しているわけで、ある意味、昔のSF映画の怪物なみです。

では、現代社会において竹は悪者なのかと言うと、やはりそれは違うだろうと考えます。竹が持っているパワーは素晴らしいものがあります。竹材として、食材として、燃料として。何よりその成長力を考えると、エネルギー問題の解決策は竹じゃないのかと言う説も強いほど。竹炭、竹酢液などの効能はよく知られていますね。

私たちは、NPO法人どんぐりネットワークとして、里山再生に取り組んでいるわけですが、特に、この竹の問題に焦点をあてています。単純に竹を駆逐すると言うのではなく、有効な資源として活用できるようにと考えながら活動を進めています。参加しているメンバーは会社員、主婦、学生、教員、マスコミ関係者他バラエティに富んでいるわけですが、もちろん、皆が皆、問題意識が強いわけではありません。単純に、週末に森で遊びたいだけの方もいれば、本気で循環社会実現のために勉強している人もいます。竹炭を焼く際に燃えている火を見ているだけで癒されて幸せ・・・・という方も。私のように会社経営をしているものが、その方針に共感して法人として入会している方もいます。

モットーは、「森で楽しく過ごす!」です。

活動は、竹林を整備し、できた竹材で竹炭にしたり、クラフトをしたり、タケノコを食べたり。お世辞にも竹林拡大阻止を担っているとは言えません。半分素人が週末だけの整備では本質的には解決しません。ただ、次代を担う子どもたちはもちろん、昔、野山で遊びまくった大人たちにも、今一度、森の楽しさを実感してもらい、思い出してもらい、毎週のように森に通ってもらうようになることで、「あれ?今の森で起こっていることは、ちょっとまずいぞ。」と気付いてもらえればと考えています。そして、楽しさと一緒に、起きている問題点をひとりひとりが周囲に拡げていってもらえれば、竹林の拡大に追いつけるのではないかと。

マスコミの活用、学校の総合学習への支援、様々な公的な行事への協力などで、幅広い啓蒙活動なども重要です。ただ、そのためには問題意識を持ったスタッフ、仲間が必要。そのためには「楽しい!」だけで参加してくれる多くの森好きが必要です。そして、次世代を考えると「森ガキ」が必要です。

どんぐりネットワーク自体も、実は精力的に頑張ってくれているスタッフの多くは、60歳以上のベテランです。この方々の経験に基づいた知恵を受け継ぐには、もっと多くの若手が参加し、その子どもたちを引き連れ森で遊ばないといけません。日本人が持っている、森と共に、竹と共に培った知恵の伝承を私たちの世代で絶やしてしまってはいけないと考えています。

2005年7月8日 森田桂治

投稿者 kmorita : 2005年08月02日 19:59

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