01/222012

「ぼくがぼくであること」と「きのう、火星に行った。」は読んだほうがいい。大人もこどもも。

僕をTwitterやFacebookでウォッチしてくれている人は感づいてると思いますが、僕は最近小学校高学年あたりの子供たちが読む児童文学にけっこうはまってます。

今、子育て中の人も、そうでない人も、かつて少年少女だったみんなが楽しめる世界だなぁとあらためて実感しています。ほんとおすすめですよ。

最初は、自分が昔読んだ「チョコレート戦争」を買ってきて、さりげなく「いつか息子が読めばいいなぁ」程度でおいておいたんですが、自分があらためて読んだら面白くって、幅を拡げていったのです。

チョコレート戦争 (新・名作の愛蔵版)
大石 真
理論社
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以前も紹介しましたが、「二分間の冒険」をはじめとした岡田淳さんの本は久しぶりのどはまりで、もうほとんど読んでしまいました。小学生の日常の延長の不思議な世界の話なんですが、どれも最後までドキドキ。「二分間の冒険」が一番好きですが、短編集的な「放課後の時間割」や「雨やどりはすべり台の下で」もいいですね。

二分間の冒険 (偕成社文庫)
岡田 淳
偕成社
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最近読んだ本でスカッとしたのは、山中恒さんの「 ぼくがぼくであること」です。優等生ばかりの兄妹の中でいまいちの僕。お母さんからガミガミ言われてる様はまるで我が家の息子そっくりなんですが、ある夏の家出をきっかけに、ある少女と出会い、事件に巻き込まれ・・・。後半ではほんとたくましい少年に成長していきます。

ぼくがぼくであること (岩波少年文庫 86)
山中 恒
岩波書店
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笹生陽子さんの「きのう、火星に行った。」も「ぼくがぼくであること」とはまたちょっと違うパターンの少年の成長物語です。「友だちはいらない。やる気もない。」という意味では9歳の壁で心をクールにガードを始めた少年期の特有のパターンの代表みたいな主人公。その主人公の成長物語なんですが、脇役の少年、少女もいい味を出してて、最後の場面の爽快感はそれが単なる「連合体育大会のハードル種目」とは思えないぐらいの盛り上がり。

きのう、火星に行った。 (講談社文庫)
笹生 陽子
講談社
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ほんとどの話に共通しているのは、少年たちの成長の物語。少年が子供から大人への階段をあがっていくというのは、どんなスペクタクルなドラマよりもなんだか感動するんですよねぇ。

僕自身がいつまでも少年時代を懐かしむ傾向があるのも事実ですが、やはり最近では息子にダブってしまいます。彼自身はまだ「葛藤の一歩前」って感じなんですけど、たまに見せる反抗的態度など「おぉ、きたきた!」と逆に嬉しかったりするほど。

子供たちがいつか読んでくれたらなぁと買い始めた児童文学ですが、当面は僕が楽しむことが続きそうです。

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