11/082013

医療にたかるな

医療にたかるな (新潮新書)
村上 智彦
新潮社
売り上げランキング: 24,606

財政破綻した夕張市の医療再生に取り組んできたことで有名な村上医師。以前、NHKのETV特集で知った時からけっこう追っかけています。現在は、岩見沢を拠点にしてNPO法人ささえる医療研究所理事長なども。

ささえる医療研究所

その村上医師の闘う姿勢で臨んだ渾身の一冊。行政のゆがみだけじゃなく、医療関係者、マスコミ、そして住民のたかり体質を痛烈に批判。健診も受けない、運動もしない、予防意識もない住民が結果的に高額な医療費の原因になっている現実。

村上医師は過剰医療に警告すると共に、治療だけを目的とした「戦う医療」から、行政、地域コミュニティ、介護事業所、訪問看護ステーション、在宅医療施設などが連携して予防や、健康的な習慣を普及させ、いざとなったらみんなで助け合う「ささえる医療」への転換を提案しています。

医療行為としての「キュア」だけでなく、医療を超えた「ケア」が大事だとみるわけです。この流れは、実は今の国の方針とも合致していて、ぱっと考えると財政の先細りと、社会保障費の増大を抑えたいサイドの企みに感じられますが、現場の患者さんが求めているのは住み慣れた家での治療や最期の瞬間を過ごしたいという気持ちかもしれませんしね。なんにせよ、限られた予算なのですから、一番無駄にならないようにするのは当然です。

僕は運動習慣ができてきたことや食習慣をあらためてきたことでここ6年ほど風邪をひかなくなってきました。予防や生活習慣が「治療」よりも大事なことは実感しています。これを家族や友人知人におせっかいなぐらい拡げ、その先は地域での仕組みづくりに繋げていきたいなと考えています。

ぜひ皆さんも考え方を転換する意味で村上医師の闘う一冊、一読ください。他人事ではなく若い世代においても自立した市民として自分事です。

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