01/262011

地元学からの出発

デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)
藻谷 浩介
角川書店(角川グループパブリッシング)
売り上げランキング: 122

デフレの正体などで盛んに「人口減少社会」の問題が取り上げられ、売れているので経済成長やもっと言うと日本の未来を語る際に「人口減少」がキーワードになってきてます。

僕の場合は42歳の年を迎え、ビジネスマンとしても人間としても折り返した感が強いので、

・自分自身に残された時間
・人口減少社会
・自分自身に関わってきた人の幸福

という3つのことを念頭にいろいろ試行錯誤の毎日です。戦略立案の基本が最近ではここにあります。けっこう砂時計の落ちてるスピード実感しながらといったイメージです。

例えば、成長を目指して東京の顧客をどんどん獲得する!その為に東京営業所を復活させて!などといったことはもう全く興味ありません。

自分たちの今持っている資源をあらためて棚卸して、その中でも本当にやりたいことに時間を集中させることが大事です。その際、自分自身が求めているライフスタイルの延長線上にビジネスがあればなと思っています。

仕事ではないですが、「地元」という言葉が僕の中で重要になっています。商店街やら島やら、おせっかいな感じで「活性化」などと点のイベントで問題意識をさも持ってるようなそぶりをしてきました。それはそれでその時は本気だったと思うし、島で古老の話を聞いた時には感動して涙も流しましたが、いろいろ実行レベルで考えた時には、「じゃぁ、お前の住んでる小学校区はどんだけ楽園なの?」と問われているように感じはじめたのです。

他人の心配より、てめえの家族が住んでる地域の心配をしろよと。

最近、結城登美雄さんの「地元学からの出発」という本に出会いました。

ぜひ読んでください。この先苦しい時代になることが予想されていますが、新たな地縁を考える際の大事な手ほどきになると思います。結城さんは、「ゆるがぬ地域」という概念に対して、下記のように答えています。

ゆるがぬ「地域」とは何か。私はそれを「家族が集まって暮らす具体の場」だととらえたい。当然ながら家族はそれぞれに希望や願い、悩みや課題を抱えて日々を生きている。そしてその願いや悩みを実現、解決したいと努力を続けている。だが個人や家族の力だけでは実現、解決できないことも多く、ときに孤立感を深めるかもしれない。そのテーマを、ともに暮らすほかの家族と力を合わせ、実践の道を歩むことが地域づくりではないのか。私はその原点を日本の「村」に求めたい。

ここで言う「村」は現在の市町村の「村」ではなくって、明治元年の「村」の規模、戸数60~70戸、人口370人前後のこと。今も、集落、自治会というレベルで緩やかに残っている地域も多いですね。

僕としてはもう少し、例えば小学校区ぐらいに拡大して考えてもいいのかなとも思いますが、これに、同じ糧を得ているビジネスのメンバー、パートナーとしてのビジネス縁や、インターネットでのつながりなどが複合的に影響してきて、個々人の現代版の「村」が形成されるのかなと考えています。

いずれにせよ、規模の問題やネットとの関係などは置いておいて、結城さんが聞き取った「よい地域」であるための7つの条件を紹介しておきます。

・よい仕事の場をつくること
・よい居住環境を整えること
・よい文化をつくり共有すること
・よい学びの場をつくること
・よい仲間がいること
・よい自然と風土を大切にすること
・よい行政があること

20110126a.jpg

NEW ENTRY

keyboard_arrow_up

ホームコラム › 地元学からの出発