06/262013

資金繰りの想い出:間接金融から直接金融へ

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僕が株式会社ゴーフィールドを創業したのは2000年の6月。当時は資本金300万円の有限会社からのスタートでした。前職時代のボーナスやらを使っての全額自己資金でしたが、無謀にも7名で創業したのですぐに資金不足に。まずはかみさんに懇願して300万ほど貸してもらい(まだ返済していません!)、国民金融公庫にて創業融資を500万円借り入れ。さらに雇用助成金を申請して創業から2年ほどメンバーの給与の半額をいただきました。それでも僕自身の役員報酬をもらおうと思ったのは創業から丸一年経過した頃でした。一年間無報酬。というか未払い。最初の決算が終わったぐらいに取引先の銀行さんが融資をしてくれました。その後、決算が終わるたびに融資額は増えていって、最終的には五行から年商に迫るほどの融資残高が。本数で言うと15本ぐらい・・・。

6年前に創業以来最大の赤字を記録して、強烈な業務改革を実行したのですが、それからはひたすら返済の日々です。隠さずあちこちで喋ってますのでご存知の方も多いと思いますが、ほんとよくそんな金額を貸してくれたなぁと今でも思います。この5年間、営業利益を重視して返済原資を作って作って頑張ってきたので、約半減。それでも元金返済と利子とで膨大なキャッシュが外に出ていることは間違いないです。これが無借金状態になった時のことを思うとヨダレがでてきますよ(笑)。それも5年前には夢物語でしたが、今ではゴールがまずまず見えてきて、しっかり舵取りせねばという感じです。

では、なぜそんな苦労をしてまで大金を何に使ったのか?

実際のところは失敗だった施策が大半なので僕の勉強代だったとも言えます。ただ、言えるのは現在のビジネスモデルを構築するための投資だった部分もやはりあります。創業期、三年目ぐらいまでにけっこう融資を受けたことで、人数を維持しつつ大手の仕事をなんとかこなすことができました。この経験と実績が残ってその後の挑戦的なビジネス展開が可能になりました。メンバーはそれこそアルバイトまで含めると100人近く排出していますが、メンバーは代われどノウハウを蓄えたままビジネスは残るわけです。そして10年以上お付き合いいただいているお客様方。月商1,000万円に迫る通販事業も投資フェーズがあってこその資産です。

つまり僕の場合は、わずかな自己資本という直接金融でスタートしつつ、間接金融で膨大な他人資本を調達し、その資本が尽きるまでに(何度も尽きましたが(笑))ビジネスモデルを構築していったわけです。今でもビジネスモデルは構築中ですが、その原資は日々の営業キャッシュフローがメインです。全体的には財務キャッシュフローがマイナスな基調、つまり返済フェーズですね。

自己資本か他人資本、直接金融か間接金融かに関わらず、その資本を使ってその調達コスト(利子、目標配当など)を上回るビジネスモデル(同じく利回りで考える)を構築する。これが株式会社の経営ってことになかなかピンと来ない日々でしたが、まぁたくさんの勉強代を払いつつも営業利益産むだけの形は整ってきたというところです。

「起業したい!」という方の相談をよくうけますが、このあたりがあんまり理解できてない人が多い印象です。その資本金でそのまま進んだら、蛸が足食べてるようなもので、枯渇したときになんのビジネスモデルも資産も残らないですよ、利回りゼロですよ、みたいな。

あと金融機関が簡単には融資をしてくれないという状況もあります。僕がたどったコースを別のビジネスモデルでいいから、かつ判断ミスなくもう一回やれ、と言われても現在では無理でしょう。間接金融でのまとまった資金調達は難しいと思います。

僕の場合は今は直接金融を中心に資金調達しています。具体的には増資と社債(私募債)です。これはまた近いうちにまとめますね。気になる方は連絡ください。ノウハウ全部出しますので。

起業を目指している方も直接金融を中心に考えたほうがいいと思います。ビジネスモデルのユニークさだけじゃなくって、経営者本人の人格、とくに人懐っこさや愛され感が求められるかもしれませんけど。

まぁ、僕のようなちゃらんぽらんでも、信頼して出資や社債引き受けしてくれる方がいるんですから多くの人は問題ないでしょうけど(笑)

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